常にある液状化のリスク

豊洲市場は東京ガスの施設があった跡地に建っている。土壌汚染があった軟弱な地盤の埋め立て地である。そこに、築地市場に代わる市場として豊洲市場が建設された。地盤改良工事は実施されているが、3.11東日本大震災の時に豊洲は複数の箇所で、地面から泥水が噴出している。地下水の水位リスクも常にある。
今の都政はネガティブな情報を出したがらない。リスクは隠さず知らせることが減災に繋がるので、改めて欲しい。作ってしまった以上、どう活用するかが重要になると思う。
構造的な赤字体質(築地と豊洲の切れない関係)
販売経路の多様化などで中央卸売市場の取扱量が大きく減少し、中央卸売市場の収益も減少している。加えて、豊洲新市場は空調設備等を過剰にした。建設後は、空調設備の維持や更新で更なる支出が既に確定しており、慢性的な赤字構造になっている。
この人為的とも言える赤字を埋めるため、築地市場跡地を都の市場会計から、都の一般会計が買い取る際に、できるだけ高額にしておく必要があった。こうして、市場会計の矛盾を拡大させている。当時から市場を介する流通量が減っていたが、東京都の卸売市場を無くす判断はできなかったと思う。しかし、赤字処理の方法は市場跡地の所有権の移動であいまいにせず、白黒つけた方がよかったと思う。これは、都知事の政治判断が必要だったが、この頃の小池都知事は自民党からの攻撃に怯えすぎて、既に大局的な判断はできなかったのだろう。
実際に、令和6年5月の東京都中央卸売市場の経営レポートでは、経常収支の黒字化が見込めないことや再び資金ショートすると報告がある。結局のところ、5,423億円の資金投入をしても収支改善の見込みはない。問題をあいまいにして先延ばしにせず、正面から解決方法を決めて欲しい。
※「築地市場跡地で錬金術」を参照
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